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2018年4月 財務諸表監査の実務第3版 発売

 「財務諸表監査の実務第3版」が出版されました。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 初版発行から3年が経過しました。
 おかげさまで一定の評価が得られたのか、初版の増版、2年前の第2版の刊行を経て、今回の第3版を刊行することになりました。こうして版を重ねることができたことは、大変うれしく、ありがたいことです。
 本書は、「財務諸表監査をは具体的にどのように実施されるか?」という問いに答えることを主眼として作成しており、その内容はわが国の監査実務の指針となっている「監査基準委員会報告書」の解説に重点を置いています。

 上記は本書冒頭の「第三版の刊行にあたって」の引用です。
 アマゾンで購入の方は、こちらへ。

 なお、takuya@nakazato-cpa.comにメールをくだされば、1割引き・送料当方負担にて発送します。お問い合わせください。Taku

 
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2018年3月 プロデュース粉飾事件で東陽監査法人に賠償責任6億円

 ポンコツ会計士による粉飾の指南により、上場してしまったプロデュースは既に破産しており、またその役員らも破産している以上、「本件で損害賠償責任を負える財力のある者は監査法人しかいない」と被害者たちは考えていました。しかし、そのことを理由として、裁判官が監査法人に賠償責任があると判断したならば、不合理と言わざるを得ません。というのも「誰が悪いのか?」と「誰が責任を負えるのか?」とは別問題だからです。

 この点、日経新聞は下記のように報じています。
 「新潟県長岡市の工作機械メーカー「プロデュース」(破産)の粉飾決算で株価が下落し、損害を受けたのは監査法人に責任があるとして、株主が、粉飾時の監査法人を吸収合併した東陽監査法人(東京)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は20日までに、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更し、約6億1760万円の支払いを命じた。高裁の野山宏裁判長は有価証券報告書などの重要事項について虚偽記載があったと判断し、吸収後の監査法人の免責を認める余地はないと結論付けた。東陽監査法人の姿勢を「証券市場の透明性確保の一翼を担う使命感が感じられない」と批判した。東陽監査法人は「主張が認められず誠に遺憾だ。判決内容を精査し、方針を検討する」とのコメントを出した。」

 誰が悪いのか?
 これはハッキリしています。既に破産したプロデュースの役員に加え、粉飾を主導してきたポンコツ会計士が悪いのです。
 今回賠償責任を負うこととされた監査法人は、そのポンコツ会計士が代表を務めていた東都監査法人を吸収合併した法人であって、東陽監査法人自体がプロデュースの監査業務を行っていたわけではありません。
 その合併後に今回の訴訟が提起されたわけですから、「東陽監査法人はポンコツ会計士の尻拭いをしなければならない」と裁判官は判断したことになるのです。
 会計士業界は監査の質の向上のために事業再編が急速に進んでいます。その中で、本件は合併によるリスクが顕在化したことを意味します。そのため、今後の業界の事業再編に大きな影響を与えることは必至でしょう。

 果たして裁判官の中にも、ツイッターで不届きなコメントを開示するなど、その使命感を感じられないような輩もいることは確かですし、人が判断する以上、その判断に誤り生じることも当然あることです。
 もしかしたら東陽監査法人の経営陣は、「我々が責任を負うことなどありえないだろう」と考えていたのかもしれません。
 そうした姿勢がこの裁判官には無責任に映った可能性があると思います。
 上記裁判官の監査法人に対する「証券市場の透明性確保の一翼を担う使命感が感じられない」というコメントが気になります。
 断じて、そんなことはないと信じるとともに、裁判の恐ろしさをヒシヒシと感じます。
 受け入れがたい判決です。Takun
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2018年2月 JA秋田おばこ赤字56億円

 ようやく産経新聞が取り上げました(2018年2月1日の産経新聞の朝刊です)。
 いままで地元の秋田魁新報が取り上げていたのは注目していましたが、今回はJA秋田おばこで明らかになった標記の問題を取り上げます。事実関係を簡単に整理します。

① JAが組合員からコメを買い取ります。
② JAは買い取った代金を組合員に対して支払います。仮払いです。
③ JAは買い取ったコメを卸業者へ販売します。
④ コメ卸業者から支払われる販売代金をJAが回収します。
⑤ ②と④の差額を精算します(④<②であれば、生じた余剰金を組合員に対して追加で支払いますが、②>④であれば、生じた損失を埋め合わせるのに組合員から徴収が必要となります。)

 JA秋田おばこで問題になっているのは、②>④となっている状況です。つまり④の販売代金が②の購入代金を下回っているため、組合員に対してコメ代金を過大に支払った状況が継続し、長年にわたって赤字が続いているのです。
 「高く仕入れて、安く売れば、損失になる」という、とても単純な話です。
 なぜそんなことをするのでしょうか?
 「販売量日本一のプライドがある」という理由もあるようです。要は「コメを集めるため②の仮払金を多額に設定している」というのです。残念ながら、実際はそれほどの販売力などないにもかかわらず・・・です。
 また、見方によっては利益相反の可能性も考えられます。自分の家族が米を作っていれば自らの利益のため、または蜜月の関係にある農家の利益のため、「JAが損をしても構わない」と考えて、多額に仕入れたのであれば、これは立派な違法行為です。

 いずれにしても注目すべきは、「高く仕入れて安く売ることでJAに損失が累積していった」という事実です。私には、JA役員らが問題を直視できず、ただなし崩し的に問題を放置してきた、としか見えません。
 にもかかわらず、産経新聞の記事では、本件の累積赤字について、代表理事長の以下のコメントが掲載されています。

 「事務経理が手薄になっていた。深く反省している。」

 私には、問題をすり替えているようにみえるのですが、どうでしょうか?
 ゲスの勘ぐりかもしれませんが、累積損失は把握しつつも、「きっといつか何とかなる」「いや、なんとかしなきゃいけない」と悩み続けた問題じゃぁないんですか?
 果たして、JA秋田おばこの理事会では、理事33名の報酬を4カ月にわたって50%減額することを決めたそうです(その減額した総額だけでも公表してほしいものですが・・・)。
 その金額がJAの損失を補填するほどに十分な額なのか、または「焼け石に水」程度の金額なのか、想像に任せる他ありません。
 農協法の理事の責任は、会社法の取締役の規定を準用しており、株式会社の役員が株主代表訴訟によって巨額の賠償責任を負う事例と同様に、JAの役員も厳格な責任を負っています。
 JA役員には、JAおばこが被った損害を補填する責任があるのです。
 このことは、きっとJA役員本人の皆様は自覚していると思います。
 直接的な利害関係のある組合員の出方次第ですが・・・、JA役員の大きな責任問題となる可能性が高いでしょう。

 次回は、少し古い話になりますが、やはり同様な問題が秋田県で発生したことを扱おうと思います。
 とっても根深い問題なのかもしれません。Takun
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 当ブログは、中里会計事務所による不正事例研究会の記事を発信しています。
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連絡先:中里会計事務所 電話03-6228-6555
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