2018年2月 JA秋田おばこ赤字56億円

 ようやく産経新聞が取り上げました(2018年2月1日の産経新聞の朝刊です)。
 いままで地元の秋田魁新報が取り上げていたのは注目していましたが、今回はJA秋田おばこで明らかになった標記の問題を取り上げます。事実関係を簡単に整理します。

① JAが組合員からコメを買い取ります。
② JAは買い取った代金を組合員に対して支払います。仮払いです。
③ JAは買い取ったコメを卸業者へ販売します。
④ コメ卸業者から支払われる販売代金をJAが回収します。
⑤ ②と④の差額を精算します(④<②であれば、生じた余剰金を組合員に対して追加で支払いますが、②>④であれば、生じた損失を埋め合わせるのに組合員から徴収が必要となります。)

 JA秋田おばこで問題になっているのは、②>④となっている状況です。つまり④の販売代金が②の購入代金を下回っているため、組合員に対してコメ代金を過大に支払った状況が継続し、長年にわたって赤字が続いているのです。
 「高く仕入れて、安く売れば、損失になる」という、とても単純な話です。
 なぜそんなことをするのでしょうか?
 「販売量日本一のプライドがある」という理由もあるようです。要は「コメを集めるため②の仮払金を多額に設定している」というのです。残念ながら、実際はそれほどの販売力などないにもかかわらず・・・です。
 また、見方によっては利益相反の可能性も考えられます。自分の家族が米を作っていれば自らの利益のため、または蜜月の関係にある農家の利益のため、「JAが損をしても構わない」と考えて、多額に仕入れたのであれば、これは立派な違法行為です。

 いずれにしても注目すべきは、「高く仕入れて安く売ることでJAに損失が累積していった」という事実です。私には、JA役員らが問題を直視できず、ただなし崩し的に問題を放置してきた、としか見えません。
 にもかかわらず、産経新聞の記事では、本件の累積赤字について、代表理事長の以下のコメントが掲載されています。

 「事務経理が手薄になっていた。深く反省している。」

 私には、問題をすり替えているようにみえるのですが、どうでしょうか?
 ゲスの勘ぐりかもしれませんが、累積損失は把握しつつも、「きっといつか何とかなる」「いや、なんとかしなきゃいけない」と悩み続けた問題じゃぁないんですか?
 果たして、JA秋田おばこの理事会では、理事33名の報酬を4カ月にわたって50%減額することを決めたそうです(その減額した総額だけでも公表してほしいものですが・・・)。
 その金額がJAの損失を補填するほどに十分な額なのか、または「焼け石に水」程度の金額なのか、想像に任せる他ありません。
 農協法の理事の責任は、会社法の取締役の規定を準用しており、株式会社の役員が株主代表訴訟によって巨額の賠償責任を負う事例と同様に、JAの役員も厳格な責任を負っています。
 JA役員には、JAおばこが被った損害を補填する責任があるのです。
 このことは、きっとJA役員本人の皆様は自覚していると思います。
 直接的な利害関係のある組合員の出方次第ですが・・・、JA役員の大きな責任問題となる可能性が高いでしょう。

 次回は、少し古い話になりますが、やはり同様な問題が秋田県で発生したことを扱おうと思います。
 とっても根深い問題なのかもしれません。Takun
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