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2017年8月 子会社の不正相次ぐ(2)

 前回は(1)株式会社ナカヨ「当社子会社の不正取引の疑いに関するお知らせ
(2)東洋炭素株式会社「当社海外子会社における不正行為発覚に関するお知らせ
についてでしたが、今回は下記です。

(3)東武鉄道株式会社「当社子会社元役員による不正行為について」
(4)神栄株式会社「当社連結子会社における不正な取引行為に関するお知らせ」

 東武鉄道株式会社は、「当社子会社元役員による不正行為について」を公表しました。
 連結子会社である東武ホテルマネジメントにおいて経理業務等を担当していた元取締役経理部長による不正です。権限が付与された重役による不正は、なかなか防止・発見が困難とされます。この不正は自己申告で発覚し、被害総額は126百万円です。
 20年間以上の長期に渡り不正出金や着服を繰り返し、パチンコ等の遊興費や消費者金融の返済のために費消していたとのことです。この役員は不正を隠蔽するために、不適切な仕訳の入力や証憑書類の廃棄も行っていたとされます。
 どうやら単独犯によるもので、社内外に共謀者はいなかったそうですが、興味深いのはこの不正の調査を進める過程で、同子会社の東武ホテルマネジメントのマネージャーによる小口現金の着服行為(4.5百万円)も合わせて判明したことです。
 それぞれ別の要因によるものなのでしょう。それぞれ、どのような再発防止策を講ずるべきなのか、興味があります。

 神栄株式会社は、「当社連結子会社における不正な取引行為に関するお知らせ」を公表しました。こちらは中国上海の子会社です。
 同子会社では、2015年以降、取引拡大中であった取引先との間に発生した滞留債権を隠蔽するために、同取引先及びその関連先と仕入及び売上の架空計上を繰り返す不正な取引行為が行われました。
  「滞留債権の隠蔽」と「架空の仕入・売上の計上」との関連性が不明確ですが、不正な取引に関与したとみられる取引先に対する当社グループの平成29年6月末時点の債権総額は約330百万円、また当該取引先から仕入れた在庫は約50百万円とされ、債権については回収可能性、在庫については実在性等を調査しているとのことです。
 この不正、どうも具体的な手法が思い浮かびませんが、こちらも今後の調査に注目したいと思います。

 いずれにしても、子会社での不正、特に役職者による不正が頻発しています。
 「うちは大丈夫」という根拠のない自信は持たない方がよいでしょう。気をつけたいものです。Taku
 


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2017年8月 子会社の不正相次ぐ

 今年はとても忙しい夏でしたが、ようやく落ち着いてきました。今日から夏休みです(とはいえ、事務所にてこの原稿を書いていますが)。
 表題のとおり、子会社の不正が相次いでいます。以下、紹介します。

(1)株式会社ナカヨ「当社子会社の不正取引の疑いに関するお知らせ
(2)東洋炭素株式会社「当社海外子会社における不正行為発覚に関するお知らせ
(3)東武鉄道株式会社「当社子会社元役員による不正行為について
(4)神栄株式会社「当社連結子会社における不正な取引行為に関するお知らせ

 すべて東証一部の上場企業であって、しかも子会社での不正です。
 親会社はシッカリしていても子会社で不正が起きれば、親会社を含めたグループ全体のイメージ悪化につながります。
 出来の悪い子供は、親として頭の痛いところですが、内部統制はあくまで連結全体で構築すべきプロセスです。
 「子会社にて不正が発生するリスク」については、十分なコントロールが必要です。

 さて、今回は上記の(1)(2)について、次回は(3)(4)について、気が付いた点を示します。
 まず(1)の株式会社ナカヨの件です。
 この公表資料の「1.不正取引の疑いの概要」には、下記の記述があります(一部、省略しています)。
「本件は、電子サービス(子会社)の役員において、かねてより電子サービスとの取引のあったA社からの借入申入れの要求に応えるため、・・・A社系列のB社より開発依頼を受け、・・・社内稟議を経ずに契約を交わし、29百万円が未回収となっております。その後、B社からの・・・入金がなく、A社への返金を要求するも入金されない状況」とのことです。
 本文を記述した方には失礼極まりないとは思いますが、一文目が長すぎです。文章が長くて、とても解りにくいのです(もう少しイイタイコトを整理して記述した方が良いかもしれません)。
 そもそも書き出しの「本件は、電子サービスの役員において」という書き出し自体が不明瞭です。その役員が不正取引の疑いの対象者であれば「電子サービス(子会社)の役員が・・・」と主語とした方が良いかもしれません。「役員において・・・」という表現は、かなり曖昧な書き出しになってしまっているのが残念です。
 また、本件は要するに、「所定の承認を経ずに支出した29百万円が未回収になった」ということなのでしょうが、そのことと書き出しに続く冒頭の「A社からの借入の要求に応えるため」との関連がハッキリしません。「借入の要求」と「開発依頼を受けたこと」とはどのような関係があるのでしょうか?
 いずれにしても、今後の調査結果待ちですが、もう少し解りやすい文面にしていただきたいと思いました。
 なお、この結果、同社は平成29年6月末を期末日とする平成30年3月期第1四半期報告書の提出期限を延長するとのことです。

 次に、(2)東洋炭素株式会社ですが、こちらはフランスの子会社での不正です。概要は以下の通りです。
 2011年6月~2017年4月にかけて、財務経理責任者であった元従業員が、付加価値税の還付金を不正申告し、その還付金を元従業員の口座に送金することで、横領していたとのことです。フランス税務当局による税務調査によって発覚しました。
 175万ユーロ(日本金換算で約200百万円)だそうです。
 不正を行った従業員は6月に解雇、刑事告訴と平行して民事事件として責任追及を行い、被害金額の回収に努めるとのことです。財務経理責任者による不正は、その権限が集中している関係もあり、なかなか防止・発見に困難が伴うことが多いようです。本件も社内の調査ではなく、社外である税務調査により発覚している当たり、内部統制の限界を感じさせます。
 しかし、全く兆候がなかったのでしょうか?不正実行者による挙動不審な行動はなかったのでしょうか?
 残念ながら、これらは実際に不正の行われている現場でしか感じ取ることはできませんね。Taku


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 当ブログは、中里会計事務所による不正事例研究会の記事を発信しています。
 不正事例研究会 中里会計事務所
実際の事件を知ることが、同様の事件を繰り返させないための想像力を養い、対策を有効に機能させるための第一段階になると信じます。
連絡先:中里会計事務所 電話03-6228-6555
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