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2016年10月 メーカーでの不適切会計の多発

 忙しさに紛れ、更新が遅れておりました。以下、最近の不適切会計の例を三つ紹介します。

日鍛バルブ株式会社での在庫の水増し
 発動機弁、自動車部品、紡績部品等の製造販売を行う日鍛バルブ株式会社(東証二部)において、下記のとおり在庫の水増しが明らかになりました。
 堀山下工場;加工中の仕掛品を完成品として計上していた。
 本社工場;仕掛品及び完成品の在庫に不適切な計上があった。
 山陽工場;材料等に架空の在庫が含まれていた。
 詳細は現在調査中とのことですが、堀山下工場での不適切会計の判明を受けて、他の工場の調査によって、さらに不適切な会計が明らかなったとのことです。
最終報告では金額が変更する可能性もありますが、上記により棚卸資産が約200百万円過大に計上されていた(その分、利益が過大計上されていた)とのことです。
同社の2016年3月期の売上高42,494百万円、経常利益は3,140百万円(連結)です。過年度の修正タイミングにもよりますが、経常利益に与える影響の比率を乱暴に算出すると、200/3,140=6.3%。一般に税引前当期純利益の5%を重要性の基準値とすることがありますが、果たして「重要性あり」か「重要性なし」か、判断に悩むところでしょうか。

長野計器株式会社の連結子会社での未出荷売上
 圧力計測の専業メーカーである長野計器株式会社(東証一部)の連結子会社である株式会社フクダにおいて、不適切会計が発覚しました。一般に売上高の計上基準は「出荷基準」ですが、この会社では出荷されないまま、売上を前倒しで計上していました。この不適切会計による影響を一括処理する場合、売上高は199百万円、経常利益は77百万円過大であったことになります。
長野計器の連結の売上高は44,949百万円、経常利益は2,077百万円(いずれも2016年3月期)でした。過去、複数年にわたる不適切会計であり、純資産の額18,262百万円と照らしても重要性はないと判断されるかもしれません。

日本カーバイド工業株式会社の連結子会社での売上前倒し計上
 化成品、機能樹脂等の機能製品、電子・高額製品等のメーカーである日本カーバイド工業株式会社(東証一部)の連結子会社であるダイヤモンドエンジニアリング株式会社において、不適切会計が発覚しました。その内容は、完成工事原価を未成工事原価に振り替えることでの費用の繰り延べ、工事進行基準を適用している大型工事案件に係る売上の前倒し計上です。これらの損益に与える影響は累計で700百万円にも及ぶとされます。
同社の2016年3月期の売上高は50,494百万円、経常利益2,423百万円(いずれも連結)、純資産22,034百万円です。この重要性の判断も悩ましいところでしょうか。

 上記はいずれも歴史あるメーカーでの不祥事であって、会社の規模も似ています。
 そのうち2社は子会社での不祥事ですが、子会社における不祥事は多くの不正事例に共通します(「子会社の管理体制をどのようにするか」は、非常に重要な経営課題とされる所以です)。
 もちろん、「不祥事があった会社はけしからん」と考えるのが通常でしょう。
 しかし「よくぞこの程度の金額で早期に不祥事を発見できたものだ」と見方を変えることが適切な場合もあるでしょう。
 不正事例を見る場合、「不正が発覚されなかった期間」、「損益に与える影響」、「不正が発覚したきっかけ」、「不正が発覚されなかった原因」などに着目すると、その不正の悪質さのみでなく、その会社の内部統制の不備の程度を知る勘所になると思います。
 参考まで。Taku
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 当ブログは、中里会計事務所による不正事例研究会の記事を発信しています。
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連絡先:中里会計事務所 電話03-6228-6555
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