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2016年8月 非常勤監事の責任~とある理事長の暴走

 この暑い時期、ご先祖様のことに思いを馳せつつも、加えて先の戦争のことを思うと、一層、厳かな気分になります。
 昔の話を蒸し返すようで恐縮ですが、非常勤監事(一般の会社では「非常勤監査役」)の責任の問われた事件を紹介します。
 10年以上も昔の話です。

 とある組織で50億円もの使途不明金が問題となりました。
 公の機関の是正・改善命令にもかかわらず、その組織はこれに応じなかったため、管理命令が発動されて、同組織は破綻しました。
 問題となったのは、ワンマン理事長の暴走です。
 交通事故の当事者である理事長自身に、その共済金の支払事務処理を一任させたり、理事会の承認を経た方法とは異なる方法で、とある施設の建築工事を独断で進めたりした結果、その組織の資産は流出し、破綻します。
 その理事長の業務上横領罪(実刑判決)が確定します。

 当然に、他の理事や監事は、理事長を監視する責任を負っていますから、彼らの責任問題にもなります。
 この事件でも、ワンマン経営の理事長の暴走を抑えられなかったことから、他の常勤の理事、監事も報酬の返還等で責任を負うことになりました。
 問題は、とある「非常勤」の監事の責任です。
 一審、二審では、下記の理由によって、その非常勤監事の責任はないものとしました。
 「同組織では、理事長がほとんどの業務意思決定を自ら行う慣行があって、監事がその業務意思決定について事前差し止め等を行うことが事実上不可能であり、その責任を監事に求めることは酷である。」

 しかし、その後の最高裁判決では、一審、二審の判断を覆し、非常勤監事の責任を認めます。
「理事長の業務執行が慣行に沿ったものであっても、その慣行は不適切であり、当該慣行があったことをもって監事の職責は軽減されない。監事には任務懈怠があった。」
 非常勤の監事(監査役)であっても、「間違っているモノは間違っている」と主張しない限り、理事を監視する責任は全うできません。議事録に反対意見が記載されてはじめて、免責されると思った方が良いでしょう。
 「理事会・幹事会で、余計なことを言ったら煙たがられるだけ」と、「沈黙を金とする」方も多いでしょう。
 しかし、社会的な責任を負う立場にある以上、当事者意識を持って、積極的に発言することが求められているのです。

 その非常勤監査役の支払った賠償額は10,000,000円とされます。決して少額ではありません。Taku

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 当ブログは、中里会計事務所による不正事例研究会の記事を発信しています。
 不正事例研究会 中里会計事務所
実際の事件を知ることが、同様の事件を繰り返させないための想像力を養い、対策を有効に機能させるための第一段階になると信じます。
連絡先:中里会計事務所 電話03-6228-6555
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