IT業界の粉飾 8割超の架空売上 メディア・リンクス 2003年3月

メディア・リンクス
2005年5月、大阪の情報システム開発会社のメディア・リンクス事件に絡み、様々な不正に関与したとされる社長は証券取引法違反等で懲役3年6ヶ月、罰金200万円の判決を言い渡されました。
 同社の2003年3月期の公表した売上は売上高165億円。そのうち約140億円が架空計上とされ、巨額の粉飾決算として社会の注目を浴びました。その後、同社は2004年5月に上場廃止となります。
 判決では「一般投資家をかく乱し、有価証券報告書の信頼を揺るがした」、「証券市場の公正さを損なわせた刑事責任は重い」とされています。
この事件の特徴は、上場前から継続して架空売上がなされていたことに加えて、架空計上の割合が多いことでしょう。
140/165=約85%の売上高が架空取引とされたのですから驚きます。
その手法はいわゆる循環取引で、メディア・リンクスを起点として、商品が複数の会社に転々売買され、最終的にメディア・リンクスに戻る形(Uターン取引)になっていたようです。社長は架空売上を繰り返し、会社の成長を演出していたわけです。

さらに取引先の伊藤忠テクノサイエンスの元社員(その後逮捕起訴)に架空取引指南のための報酬として数千万円を支払っていることも報道されました(その後、伊藤忠テクノサイエンスは、2000年3月期~2004年3月期の5年間の決算を訂正(売上高221億円の減額)しています)。
当時のIT業界では、こうした不透明な取引慣行が横行していたとされ、その一つの事例がメディア・リンクス事件として位置づけられるのです。
その他にもワンマン社長による会社資金の2億5千万円の着服、棚卸資産の評価について監査法人と意見が対立、個人公認会計士事務所への監査人交代、社長と暴力団との関係、手形の紛失、適時開示規則違反等、当時のマスコミの報道は、様々な問題が取り沙汰されました。
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